言いたいことは言えない でも言いたくないことはなおさら言えない 言わなくても伝わればといつも思うのだけど

SUNABA文学館


「SUNABA文学館 書物に恋するアートたち。」無事に終了いたしました。 ありがとうございました。  次回もまたよろしくお願いいたします。

2012年5月27日日曜日

「僕いか」を読んで

指揮者・佐渡裕さんの「僕はいかにして指揮者になったのか」の好きなシーン。

佐渡さんが留学する時に、バーンスタインの日本マネージャーであった佐野光徳さんの知り合い2人が「佐渡裕」という人間を知らないのにもかかわらず、それぞれ、2年間、毎月10万円を返済の義務無しという仕送りをしてくれることになり、出発前にその1人から届いた手紙。
「これ(お金)で苦労して勉強しようと思わないでください。おいしい物をたくさん食べて、体が元気で、たくさんいろいろなことを身につけてください。遊んできてくれたらそれでいいです。」

涙でた。。

佐渡さんが生活の為にオペラの副指揮者、大学やアマチュアのオーケストラの指揮者、ドラマのテーマやカラオケの録音等でアルバイトをしていることを知った小澤征爾さんが「あんた、頭が良ければ、そういうのは止めて、今は勉強した方が良いですよ」と言われ「止めると生活していけなくなります」と答えると、「あんたね、バカじゃなかったら親に借金してでも今は勉強続けた方が良いですよ。それ(借金)くらい、すぐに返せるようになりますよ。それよりそうやって(バイトしてて)ダメになった指揮者はいくらでもいるんですから」

耳が痛い。


僕はいかにして指揮者になったのか (新潮文庫)