言いたいことは言えない でも言いたくないことはなおさら言えない 言わなくても伝わればといつも思うのだけど

SUNABA文学館


「SUNABA文学館 書物に恋するアートたち。」無事に終了いたしました。 ありがとうございました。  次回もまたよろしくお願いいたします。

2011年2月26日土曜日

Passion

24日の感染症の日記を読んだ相棒から「どこへ向かっているのか?」と心配の声が上がったので、ここらで絵の話をしてみることにする。

この絵は、僕がメルボルンのアートショウに出展させた最初の作品「Passion」である。

2004年の1月、とあるアートマネージメント会社から「メルボルンアートショウに出展してみないか?」という誘いを受けた。
最初は詐欺ではないかと思った。出展料が16万くらいかかったと思う。作品が盗まれて、お金も取られるのではないかと思った。インターネットで検索して も、そのような会社名で(当時は)引っかからなかった。ますます怪しい。その会社へ電話してみた所で、どうせ嘘の説明をされるだろうと思った。
大学時代、高校の美術部時代の飲み会へ友達と向かう途中、変なオッチャンに「映画が安く見れる券10枚綴り」を、僕と友達とそれぞれ5千円で無理矢理買わされて、暗い気持ちで飲み会へ行ってみたら他の友達も買わされていた思い出が蘇った(笑)。

本当にこの会社が実在するのか確かめるために、夜中にこっそりその会社の住所へ行ってみた。自分のやってる行動の方が、よっぽど怪しかったかもしれない (笑)。 一応、マンションの1階にはその会社の表札のようなものが貼ってあった。「しかし待てよ。巧妙な手口の詐欺会社なら、幽霊事務所くらい作って表 札を貼ることはするだろうな」と思った。疑えばキリがなく、調べても答えは出ないと思った。
まぁこんな感じで「1人少年探偵団」の調査を終えた僕は「16万くらい取られたってイイや。本当なら凄いじゃんか」というヤケっぱちな気持ちで申し込んでみたところ、その会社は、ちゃんとしたアートマネージメントの会社で、僕以外にも何人もの日本人アーティストをオーストラリアへ紹介しようと誘っていた。
聞いてみると、参加アーティストさん達はやはりみんな不安でいろんな探偵活動をしてきていたみたいだ。 よって、少年探偵団は、成田空港でついに結集したのだ。


まぁそんなこんなでメルボルンのアートショウ "AFFORDABLE ART SHOW 04" にこの作品を含む3点を出展して、この「Passion」は見事、販売に至った。
来場者が絵を見に来て、まるでポスターを買うかのように1点モノの原画を バンバン買っていくのにはカルチャーショックを受けた。日本ではありえない気がする。子供でさえ親にねだって気に入った絵を買ってもらったりする光景も見た。

このアートマネージメント会社「マユミインターナショナル」には2004年以後も大変お世話になることになった。

2004年のアートショウは、自分にとって初の海外出展ということもあり、今思えば舞い上がっていて、他の出展ブースや作品をちゃんと見ることが出来なかったけれど、以降もこのアートショウへ参加しさせてもらい現地でいろんな刺激や収穫を得ることが出来た。出展作全部を完売した年や1点も売れなかった年もあったけど、それはそれなりに学ぶことがあった。 毎年同じ時期に同じ場所へ行っても同じだろうと思ってたけど、毎回得るものはあった。

そして今年も、数年ぶりにメルボルンアートショウへ出展することを決めた。


"Passion"
(個人蔵)
アクリル絵の具、紙  
73 x 51.5 cm (29" x 20")